投稿日 2026/03/06 更新日 2026/04/14

カニ図鑑

かにずかん

射水市新湊漁港では例年9月からベニズワイガニが、11月からはズワイガニが解禁となり、新鮮なカニが堪能できます。どこよりも新鮮なカニを味わえる射水市で、どんなカニが漁獲されているのか、どんな特徴があるのかをご紹介します。

ベニズワイガニ

                                

富山湾の朝陽「高志の紅ガニ」

9 月始め、ベニズワイガニ漁が解禁されると、射水市新湊漁港をはじめ富山湾内の各漁港にはたくさんのベニズワイガニが水揚げされ、セリ場は一気に賑やかになります。 ベニズワイガニはズワイガニと見た目はよく似ていますが、種類の異なる深海性のカニです。
身肉はみずみずしく、味は上品な甘さを持ち、特に甲羅の中のミソは大変美味しく、喜ばれています。 ズワイガニに比べると安価で、刺身、塩茹で、酢のもの、カニ汁、カニ鍋などで食され射水の秋の味覚の代表格となっています。

おすすめの食べ方:カニ刺・茹でガニ・かに飯

ベニズワイガニってどんなカニ?

ベニズワイガニはズワイガニよりさらに深い水深400〜2,500mに生息しています。外見はズワイガニによく似ていますが、全体に赤みが強く、雄は長い脚が特徴です。両種はもともと同じ種類のカニでしたが、ベニズワイガニはズワイガニよりさらに深海に適合して固有種になったものと思われます。

漁の方法

ベニズワイガニの存在は早くから知られていて、底引き漁や深場の刺し網などで稀に漁獲され、『アカガン』『トヤマアカガニ』とか『タテヤマガニ』などと呼ばれていました。 昭和37年に魚津の漁業者がカニかご漁を考案し、効率的で大量に漁獲できるようになりました。 ベニズワイガニは成長が遅く、成熟するまで6〜7年、産卵周期も2〜4年と再生効率が悪く、乱獲状態に陥ってしまうと資源の回復は非常に困難になる恐れがあります。このため、すべての雌カニと甲幅9センチメートル以下の雄カニの捕獲は禁止となっており、毎年6月1日から8月31日までは禁漁となっています。

豆知識① ベニズワイやズワイガニはタテ歩き?

「カニの横ばい」これは当然常識です。 しかし何事も例外があり、変わり者はいるもの。「横ばい」するのは浅海や岩場や陸上を住みかとしていて、素早く動く必要のあるカニだけです。ベニズワイなどのクモガニ類はゆっくり前歩きします。つまり「タテばい」なのです。

豆知識② ベニズワイとズワイの「合いの子」

ベニズワイガニとズワイガニは数千年前に分岐した近接種同士です。生息深度も一部で重なり合います。(450m〜600m)。そのためかなりの確立で交雑同体(雑種・合いの子)が発生します。 雑種は味も良く喜ばれます。しかし、明らかに種として隔離された両種の雑種は不稔(不妊)で繁殖は出来ません。なお、ベニズワイガニの雌は漁獲禁止です。

豆知識③ カニの甲羅は役に立つ

ベニズワイガニには有用なキチンやキトサンがたくさん含まれています。甲羅は、最近流行のダイエットサプリメントや、排水浄化剤・凝集剤・医薬品・化粧品・加工食品などの原材料として幅広く使われています。

豆知識④ セリ場のカニは裏返しなのは何故?

漁獲したズワイガニやベニズワイガニは市場では、きれいに裏返しにして並べています。これは獲れたてのカニがまだ生きていて逃げ出さないためと言う訳ではありません。水分が抜けてしまって鮮度が落ちてしまうのを防ぐため、漁師さん達が1杯づつ丁寧に裏返しにして並べているのです。美味しく食べていただくための努力なのです。

豆知識⑤ 「カニミソ」って何?

あの美味しい「カニミソ」は肝臓とすい臓の働きを兼ねている中腸腺と呼ばれるところです。淡黄緑色の小さい細長い袋状の集まりで、脂肪分やグリコーゲンを多く含んでおり、いわば旨味の塊故に大変美味なのです。


ズワイガニ

 (提供)伍右衛門 茹でがに・活かに専門店

日本海の味覚の王様

ズワイガニは、北海道から山陰鳥取・島根県沖まで日本海に広く分布し、それぞれの地方の冬の代表的な味覚として親しまれています。山陰の「松葉ガニ」、福井県の「越前ガニ」など、その味の良さが全国的に有名ですが、新湊漁港に水揚げされる富山湾のズワイガニは、それらに勝るとも劣らぬ美味しさ満点のズワイガニです。

ズワイガニってどんなカニ?

ズワイガニは日本海の水深200〜400mの大陸棚に分布しています。雄は大型で甲羅が15〜6cmに成長し、ハサミも大きく成長します。雌は雄の半分くらいで成長が止まり、ハサミも貧弱です。射水市では、この雌ガニを「香箱(こうばこ)ガニ」と呼びます。
新湊のズワイガニは、底引き網で漁獲します。漁獲は昭和40年頃をピークに減少しています。現在では、漁獲期を雄ガニが11月6日から3月20日、雌ガニが11月6日から1月20日までとして厳重に守られています。また、漁獲できる大きさも限定して資源の確保に努めています。

格別に美味しい新湊のズワイカニ

新湊のズワイガニを食べた方から、「松葉ガニや越前ガニ」も美味しいが、新湊のズワイは特別甘みが強く美味しく感じるのは何故ですか?」という質問が寄せられます。富山湾とりわけ新湊のズワイガニは特別美味しい理由があります。

第一に漁場が沿岸に近く、新湊漁港では他では見られない「などきのセリ」(午後 0時30分のセリ)が行われているので、漁獲後数時間の新鮮なカニが消費者に供給されているからです。カニの味は新鮮さが重要です。

第二に、新湊のズワイガニは、他の産地と違い、湾内に生息しているカニです。他の外洋性のカニと比較して、新湊のカニは庄川・小矢部川から流れ込む栄養豊かな海水で育った海洋生物や有機物をたっぷり餌にしているため、太めで肉付きもよく、身肉に甘み成分が十分に乗っているのです。

ズワイガニ(雄)の特徴

日本海の深海に生息し、冬の味覚として知られる大型のズワイガニ。長い脚にたっぷりと詰まった繊細な身質と甘みが特徴で、ぷりっとした食感が魅力。鮮度が良いほど透明感のある甘さを堪能できます。

おすすめの食べ方:ゆでガニ・かに刺し・焼きガニ

ズワイガニ(雌)「香箱(こうばこ)ガニ」の特徴

雌は雄より小ぶりながら、甲羅の中に詰まった内子(卵巣)や外子(受精卵)が珍重されます。内子は濃厚でねっとりとした旨み、外子はプチプチとした食感が魅力。漁期が短く、限られた季節にしか味わえない希少性があり、冬の北陸では欠かせない味覚です。身は少なめですが、旨みが凝縮しています。

おすすめの食べ方:甲羅盛り・味噌汁

豆知識① 「ズワイガニ」という名前の由来は?

カニ類のクモガニ科。ズワイという和名は古語の「すわえ(枝)」(細くまっすぐに伸びた若枝)からきているといわれています。このカニの足が若枝のように細くまっすぐに長いことから連想されたと思われます。

豆知識② ズワイガニの「仲間」

よく似たカニにベニズワイガニがいます。体色が赤く「赤ガニ」と呼ばれたりもし、ズワイより深 海 のおよそ400〜2500mに棲んでいます。もとは同じ種 類のカニだったのが、200万年位前に分化したことが DNA 分析で分かってきています。 また鮮魚店で見かける少し大型のオオズワイガニ(オピリオ種)がいます。外見での見分けは困難ですが、大味で甘味が薄くズワイに比べて食味が劣ると言われています。北海道の太平洋岸、ベーリング海、北米太平洋側が産地です。

豆知識③ ズワイガニの生態について教えて!

日本海の水深200〜400mの大陸棚に分布しています。太平洋岸では千葉県以北が生息地となっています。外国ではベーリング海やオホーツク海、北部太平洋および北大西洋の北米側にも分布しています。 雌雄は交尾した後別々に棲み、雌は水深240m位に移動します。5年から10年で成体となり約15年生きるといわれています。雌は生涯で5回(5年)ぐらい産卵します。最初の産卵は、脱皮が伴いますが、その後は脱皮をせずに産卵するため、雄のように体が大きくなることができません。1回目の抱卵時の雌の外子は柿色で「あかこ」と呼ばれます。2回目以降の雌の外子は暗褐色で「くろこ」と呼ばれ、「あかこ」より味が良いとされています。 ズワイガニは肉食性で、魚介類のほかクモヒトデ類など食物は多種多様です。

豆知識④ ズワイガニの利用法は?

ゆでガニが一般的で、カニミソの味は格別です。刺身・焼ガニ・カニしゃぶなど多様な食べ方が工夫されています。 近年はカニは健康食品として注目され、甲羅を処理して得られるキチン・キトサンは、機能食品、保存剤、肥料、汚水処理剤、化粧品などに利用されています。医療用としては人工皮膚や手術用の縫合糸など先端医療にも利用されています。


まだまだある!射水の絶品カニ

ケガニ

カニミソが最高においしい

北海道が有名ですが、新湊漁港でも水揚げされるクリガニ科の一種。甲羅や脚が細かい毛で覆われているのが特徴で、特に濃厚なカニ味噌に定評があります。身は繊細で甘く、味噌と和えると一層旨みが引き立ちます。大きさは控えめながら、他のカニに劣らないおいしさです。

おすすめの食べ方:甲羅盛り・かに味噌甲羅焼き

ガザミ(ワタリガニ)

冬は内子がたっぷり

暖流域の砂泥底に生息し、夏から秋にかけて多く獲れるカニ。緑がかった甲羅、鋭いはさみ、遊泳脚が特徴で泳ぐことが上手なカニです。雄は身が詰まり、雌は濃厚な内子をもつため、どちらも人気です。身は甘みと旨みが強く、味噌にもコクがあります。特に味噌汁やイタリア料理、地中海料理の食材としても人気があります。

おすすめの食べ方:味噌汁・パスタ

モクズガニ

素朴な風味の川ガニ

海域で産まれ、川を遡上し淡水域で成長し、成熟すると産卵のために川を下る降河回遊型のカニで、素朴な風味が特徴です。ミソは濃厚で、滋味深い味わいが珍重されます。かつては「川ガニ」として郷土料理にも用いられ、今も一部地域で伝統的に食されています。身は少ないながら、風味は格別です。

おすすめの食べ方::カニ汁・姿蒸し