海鮮界の女王様 ベニズワイガニ

ズワイガニ

富山湾 味覚の女王「ベニズワイガニ」

9月始め、ベニズワイガニ漁が解禁されると、射水市新湊漁港をはじめ富山湾内の各漁港にはたくさんのベニズワイガニが水揚げされ、各市場はセリ声で賑わいます。 ベニズワイガニはズワイガニとは種類の異なる深海性のカニです。身肉に水分がやや多く、味は上品な甘さを持ち、特に甲羅の中のミソと呼ばれる部分は大変美味しく、喜ばれています。 ズワイガニに比べ価格も求めやすく、刺身、塩茹で、二杯酢、カニ汁、カニ鍋などで食されます。ブリ、ズワイガニ、甘エビなどとともに富山の冬の味覚の代表です。

ベニズワイガニってどんなカニ?

ベニズワイガニはズワイガニよりさらに深海の水深450〜2,500メートルに生息しています。外見はズワイガニによく似ていますが、全体に赤みが強く、雄は長い脚が特徴です。両種はもともと同じ種類のカニでしたが、ベニズワイガニはズワイガニよりさらに深海に適合して固有種になったものと思われます。

カニかご漁

ベニズワイガニの存在は早くから知られていて、底引き漁や刺し網などで漁獲され、『アカガン』『トヤマアカガニ』とか『タテヤマガニ』などと呼ばれていました。   昭和37年に魚津の漁業者がカニかご漁を考案し、はじめて効率的で大量に漁獲できるようになりました。  ベニズワイガニは成長が遅く、成熟するまで6〜7年、産卵周期も2〜4年と再生効率が悪く、乱獲状態に陥ってしまうと資源の回復は非常に困難になる恐れがあります。このため、すべての雌カニと甲幅9センチメートル以下の雄カニの捕獲は禁止となっており、毎年6月1日から8月31日までは禁漁となっています。

ベニズワイガニとズワイガニ比較図

紅ズワイガニの豆知識

ベニズワイやズワイガニはタテ歩き?

『カニの横ばい』これは当然常識です。 しかし何事も例外があり、変わり者はいるもの。『横ばい』するのは浅海や岩場や陸上を住みかとしていて、素早く動く必要のあるカニだけです。ベニズワイなどのクモガニ類はゆっくり前歩きします。つまり『タテばい』なのです。

ベニズワイとズワイの『合いの子』

ベニズワイガニとズワイガニは数千年前に分岐した近接種同士です。生息深度も一部で重なり合います。(450m〜600m)。そのためかなりの確立で交雑同体(雑種・合いの子)が発生します。 雑種は味も良く喜ばれます。しかし、明らかに種として隔離された両種の雑種は不稔(不妊)で繁殖は出来ません。なお、ベニズワイガニの雌は漁獲禁止です。

カニの甲羅は役に立つ

ベニズワイガニには有用なキチンやキトサンがたくさん含まれています。甲羅は、最近流行のダイエットサプリメントや、排水浄化剤・凝集剤・医薬品・化粧品・加工食品などの原材料として幅広く使われています。

セリ場のカニは裏返しなのは何故?

漁獲したズワイやベニズワイは市場では、きれいに裏返しにして並べています。これは獲れたてのカニがまだ生きていて逃げ出さないためと言う訳ではありません。水分が抜けてしまって鮮度が落ちてしまうのを防ぐため、漁師さん達が1杯づつ丁寧に裏返しにして並べているのです。美味しく食べていただくための努力なのです。

『カニ味噌』って何?

あの美味しい『カニ味噌』は肝臓とすい臓の働きを兼ねている肝すい臓、または中腸腺と呼ばれるところです。淡黄緑色の小さい細長い袋状の集まりで、脂肪分やグリコーゲンを多く含んでいるので大変美味なのです。

ズワイガニ図鑑

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