竹内源造記念館〜名工の技が光るレトロシンボル〜

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建設当初の姿(昭和9年)


 竹内源造(1886〜1942)が生まれた射水郡小杉町三ヶ(現射水市三ヶ)は、江戸時代後期から左官業が盛んな土地柄で、源造の父も多くの左官のまとめ役となっていました。源造は父の指導で腕を磨き、鏝絵を芸術の域にまで高めました。
 源造は東京の帝国ホテル(初代)や中国大連の銀行建物など、国内外を代表する建築物に携わる一方、富山県内の施設・民家の土蔵・絵馬など幅広い作品を残しました。


竹内源造記念館で見られる主な作品を紹介していきましょう。


正面玄関上部のペディメント破風(はふ)軒下に、古代ローマ以来建築デザインによく用いられるアカンサス(洋風唐草)模様の装飾鏝絵があります。

アカンサス模様の装飾鏝絵


記念館1階正面で、源造の代表作である鏝絵「双龍」が出迎えてくれます。高さ1メートル、幅約17メートル、盛り上げの高さ30センチメートルに及ぶ大きさで、波浪のなかを2匹の龍が向き合う構図です。明治時代後期、砺波市(となみし)の旧家の土蔵2階を飾っていたものを、記念館リニューアルオープンに伴って平成24年度に移設しました。
龍は水をつかさどるとされることから、土蔵の火災を防ぐ願いが込められて製作されたものです。

鏝絵「双龍」(部分)


砺波市の商家にありました。型で作った芯に漆喰を塗って磨き上げ、黒漆喰(くろじっくい)の平面に規則正しく配置しています。黒と白のコントラストが美しい豪華な仕上げで、安心して商取引ができる商家、という宣伝に一役かっていたそうです。

なまこ壁


2階旧議場の正面に、鳳凰の装飾があります。壁面から60センチメートルにわたって盛り上げた技術は、現在復元することができないとされています。鳳凰は優れた君主が世に出て穏やかに治まる時に現れたという伝説上の鳥です。

旧議場正面の鳳凰


鳳凰に向き合うように、鶴が舞う鏝絵を付けた天井の切り出し展示があります。これは地元の製薬会社事務所の天井にあったものです。対になる亀の鏝絵で飾られた長押も展示しています。

天井を舞う鶴


射水市二口にあった旧家の洋間を飾っていた獅子です。目にガラスをはめる「玉眼(ぎょくがん)」の技法が取り入れられていて、眼の部分が光に反射します。

目がランランの唐獅子